『卒うた〜卒業写真〜』感想

忙しい。
新曲発売を目前に控えいろいろ動き始めているというのに、記事を書くまとまった時間がなかなか見つからない。そういえば日曜日に届いたカレンダーもまだ未開封のままです。去年のは一度開けて中身を見た後そっと箪笥の奥底に仕舞ったけれど、今年のはなかなか好評のようなのでとっても楽しみ。とりあえずこの記事をUPしなきゃ次に進めないだろ!ということで、出遅れましたが卒うた感想です。


正直に言うと、増田くんのいろんな表情や素敵ボイスを久しぶりに堪能できて嬉しかった半面、ドラマの設定や展開に乗り切れなかった自分がいます。増田くんが出演する!となると、構えて見てしまうせいかなあ。もっと楽な気持ちで見れたら違う感想があったかもしれない。

以下、増田萌えポイントは皆さんが丁寧に書いて下さっているので、それにまるっと同意!ということで、ドラマ自体の感想を中心にうだうだと・・・。





◆ドラマ全体について

うーーーーーーん・・・・・、なんだろう・・・・・。
「感想です」って言っておいて、実は言葉が見つからない。
1話完結だから、観終わった後のすっきり感を期待していたんだけど、残念ながらそういった気持ちを味わえなかった、と言おうか。もちろん、「お米、送るからねー!」の増田くんの最高の笑顔にはとてもときめいたのだが、なんとなく不完全燃焼・・・。
なんなんだろう、これは。期待しすぎたか?私。



まず冒頭、ひとみが卒業アルバムを見て涙しながら田舎に帰りたくなるまで、つまり田舎に帰る気持ちに至った経緯が説明されているんだけど・・・私はひとみに同情できないというか、感情移入できないというか。希望する仕事ができなくなってしまってショックを受けるひとみ、そこからこれまでのうまくいかなかったこと(人間関係とか)が走馬灯のように頭に浮かんで・・・なんてしてたら、ひとみちゃん、まさかの不倫。増田くん準主役のドラマで不倫の言葉が出てくるとは・・・。ひとみちゃんにしたらやりたい仕事ができない悔しさの方が大きいのかもしれないけど、こっちの問題もかなりの重要度かと思います・・・。きっと剛史がこのこと知ったら三日三晩自分のことのように悩むだろうな・・・。
で、「負けん気が強くてしっかり者のひとちゃん」「剛史との親しい関係性」をアピールするためだと思うけど、気の優しい剛史に対して結構ヒドイこと言ってるひとみ。私、こういう異性の長い付き合いになる幼馴染っていないから、ここまで女の子がド厚かましく男の子にガンガン言ってるってのがちょっと信じられない。本人が嫌がってるのにしつこく「弱し」呼びしたり小馬鹿にしたような台詞だったり・・それが結構多く見られたのにもちょっとゲンナリ・・・(確かにこういうシーンで二人の恋愛感情を超えた親しい関係は視聴者には明白になったけど、私はどうもこういう子は好きになれない。)


剛史が優しくて受け入れてくれるから、ひとみも安心できる。ほんとの自分を出せる人。だからなんでも言える。でも、いくら幼馴染でも言って良いことと悪いことがあるんだよ、ひとちゃん。


一番、「げげっ!」と思ったのは、剛史がお米の商品チェックをしているところにやってきて、店を閉めることにしたことを責めるあのシーン。何十年もある米屋を・・・何代も続いてきた米屋を自分の代で閉めるって、きっと剛史はすごい辛い決断だったと思う。彼なりに悩みに悩んで、切羽詰まって出したその決断を、彼のこれまでの努力や気持ちを理解しようとせず、「言い訳だ」だの「弱虫」だの「弱虫がうつる」だの言い放して全否定するひとみに「大人になれよ・・・。」とあきれてしまった。ひとみのイライラが違う意味でこっちにまで伝染。ひとみにイライラ。
挙句の果てに、翌朝には役所の放送室を利用して、経営が苦しい青木家には無断で、無謀な価格設定で安売りするって言い出すし。


なにやってんの、あんた。
いきなり何年かぶりに東京から帰ってきたひとみに何がわかるのだろう。剛史を「ちっちゃい男」て・・・簡単にそういう台詞言っちゃいかんだろ。そんな後先考えないで行動したり言ったりしちゃうから、東京で孤立しちゃうんじゃないかな?


二番目に「げげっ!!」と思ったのは、二人で公園まで逃げて本音を打ち明けるシーン、「変わってほしくないものがある。剛史には変わってほしくないの」←ここ、自分は変わってしまったから剛史には変わってほしくないって意味だろうか。もしそうだとしたら、「自分はどう変わってしまったから嫌なのか」があまりはっきり描けてなかったような気がするんですけど(私が読み取れてないだけかも)。傷ついて、田舎が恋しくなって、田舎に帰ってきて幼馴染と再会して、いきなり「変わってほしくないものだってある」と言い出すひとみちゃんが、ようわからん。「米屋を続けてほしい」ていうのがひとみにとっての「変わってほしくないもの」なのか、「剛史が変わってほしくない」のか*1。なんかここ、米屋の存続に託けてすんごいあやふやになってる(何が言いたいんだかわからない)んだけど・・・。そしてさらに「え」と思ったのが、「だって剛史は私の青春そのものだから」という台詞。ここで使うのか、歌詞のこの部分を・・・。なんだかこのセリフが二人の関係性とかにまったく馴染んでないように思うのだが・・・。。それにここまでの流れで見てみたって「だって剛史は私の青春そのもの」て台詞はあまりに唐突すぎる。


やばい・・・。ここまで話が進んでもひとみがまったく好きになれない。


しかし、ドラマラスト近く、車中で剛史に東京へ帰るよう諭される場面は、素直なひとみが見え隠れしていてホッとした。まさみちゃんの泣き方がちょっと子供っぽい感じだったところは、幼馴染の剛史だからこそ心を許して正直になれるという雰囲気がよく出ていたと思う。そして、夢いっぱいで何事も前向きに考えていた昔の自分に、新たなエネルギーをもらう(カセットの昔の自分の声で)、という設定も良かった。ひとみって、人にどうこう言われて納得する性格じゃなさそうだし、結局自分で自分を奮いたたせなきゃ前には進めないタイプだと思うから。


「変わらなきゃいけないこと」と「変わらずにいなきゃいけないこと」が結局ちょっとはっきりしないまま終わってしまった感じ?(なんとなく言いたいことはわかるんだけど結局最後ごまかされてしまったような気が・・・)。 「遠回りしてもいい、遠回りした人はいろんな経験をした分優しくて強い人になれるから」という視聴者へのメッセージ、とっても良いメッセージだと思うのになんとなくインパクトに欠けた印象が・・・。結果、ひとみも剛史もそれぞれの場所で前向きに頑張っていくことになって良かったわけだが、じゃあ結局このドラマでは何を一番伝えたかったのか、その焦点がぼけてしまったような気がする。もし、「遠回りしてもいい、・・・」てことが一番伝えたいことだったとしたら、ドラマ中「変わった変わらない」でもめていたあの一件は一体なんだったのだろう・・・。うーん・・・。すっきりしないな。





◆ドラマの中の増田くん



出てきた瞬間から「ノボルーーーーー!!」て感じだったなぁ。台詞まわしも似たような感じが多く、私自身が剛史モードになりきれないところが多々あった。演技においても、ちょっと舞台の演技っぽい・・・オーバーリアクションなところもちょくちょく気になったし。舞台上では全然平気な演技も、テレビのサイズになるとちょっと非現実的に感じることってあるからね。「ノボル」と「剛史」――同じ『気弱で優しい青年』の設定であっても、演出や脚本でもう少し違いが出ればよかったのにと悔やまれる。「rescue」の時の方が、もうちょい自然な演技だったように思うな。おそらく舞台をご覧になっていらっしゃらない方であれば、きっと剛史のような人物を演じる増田くんはとても新鮮だったと思う。私サイドの問題かな、これは。

もちろん、抑えたシーンでの表情や話ぶりは感受性豊かな増田くんならでは、な演技ができていたように思う。彼のあの独特の雰囲気や感性は、誰もが持ってるものではない。私の中では最高にかっこいい増田くんでも、彼に魅力を感じない人にとっては「普通の人っぽい芸能人」。私の友人からも「ジャニーズっぽくないよね?」とよく言われる。でも、俳優としてそういう人ほど何かと重宝するのだよ。人の手で造られたドラマと現実の我々の世界とを結ぶのは、自然な演技ができて、自分のすぐ隣にいてるような雰囲気の俳優さんの存在。だってリアルな生活でイケメンばっか周りにいないでしょ?(笑)
だから私は、増田くんに主役を演じて欲しいというよりも、脇を固める2番手・3番手の役どころで主役を食う演技をしてほしいと常日頃思っている。たとえば、2夜のドラマにも出演されていた平田満さん*2のような役者。善人も演じれば悪役もなんなくこなせる。ちょっと愛情表現が不器用なお父さん役もすれば、冷血な殺人鬼の役もできる人。「増田ならこの前とはまた違った感じで演じてくれるだろう。」と製作者側に思われるような、そんな引き出しがいっぱいある役者さんに成長してほしい。




ふー・・・、書けた。
まとまりもなくただダラダラ書いた文章をここまで読んで下さってありがとうございます。


最後に。ちょうど週末TVを見ていたら、ある番組で某人気グループのボーカリストさんが、槙原敬之さんの「遠く遠く」という歌を歌っていました。歌詞の立場とは違うんだけど、今のひとみと剛史に送りたい一曲だなと思いましたよ。機会があれば一度聴いてみて下さい。



「遠く遠く」(一部分だけ)


いつでも帰ってくればいいと
真夜中の公衆電話で言われた時
笑顔になっていままでやってこれたよ

どんなに高いタワーからも
見えない僕のふるさと
失くしちゃだめなことをいつでも
胸に抱きしめているから

遠く遠く離れた街で
元気に暮らせているんだ
大事なのは『変わってくこと』
『変わらずにいること』

遠く遠く離れていても
僕のことがわかるように
ちからいっぱい輝ける日を
この街で迎えたい

僕の夢をかなえる場所は
この街と決めたから

*1:でも実際は剛史自体は昔のままで変わってなくて、米屋を続けるか辞めるかだけにひとみはこだわってんだよね?そこ、ひとみがどうこう言える立場なんだろうか・・・。

*2:映画版『蒲田行進曲』のヤスでの好演以来大好き。記憶にずっと残る作品です。